水風呂には、血行の促進やストレスの解消、疲労の回復などの効果が期待でき、“ととのい”の呼び水となるプロセスです。一方、効能の裏にはリスクも潜んでいるため、体質に合わせて楽しむことが欠かせません。
今回は「水風呂の効果効能」をテーマに、精神と肉体への働き・メリットとデメリット、サウナ初心者が気になるQ&Aをわかりやすく解説します。一緒に、水風呂で体調を整えてみませんか?
「水風呂の活用法」を知ることで、サウナがもっと楽しくなるはずです。
私もみなさんと一緒に、ゆっくり学んでいきます。
水風呂の冷却による効用


水風呂の効果や効能を理解するためには、冷却のメカニズムとメリット・デメリットを知ることが大切です。まずは水風呂の冷却による効用を解説します。
- 水風呂による冷却のメカニズム
- 水風呂のメリット・デメリット
水風呂の前に、冷却のメカニズムとメリット・デメリットを理解すれば、具体的な効果・効能への理解も深まるはずです。まずは「水風呂で身体に何が起こるのか」に迫ります。
水風呂による冷却のメカニズム
冷浴を行うと、体内では次のような変化が起こります。
- 体温が下降する
- 血管が収縮する
- 毛穴が閉じる
水温3~25℃の水風呂に入ると、まず体表温度と深部体温が下降します。これにより、熱を逃がないように血管が急激に収縮し、血圧と心拍数が一時的に上昇。興奮状態へと移行します。
その後、体内でカテコールアミンなどの神経伝達物質が分泌され、結果的にストレス・疲労の緩和、免疫力の向上につながるというのが一般的な見解です。また、毛穴が閉じることで、熱が逃げにくくなるのも冷浴の特徴です。
カテコールアミンは、恐怖を克服したり、不安に対抗したりする力を与えてくれる神経伝達物質のこと。
水風呂のメリット・デメリット
冷浴を行うなら、利点と欠点を理解しておく必要があるでしょう。
| 水風呂のメリット | 水風呂のデメリット |
|---|---|
| 血行の促進 | 冷却によるダメージ |
| ストレスの解消 | 血管や心臓への負担 |
| 疲労の回復 | 急激な血脈変動 |
水風呂に入ると、末梢血管まで血液が行き渡り、栄養と酸素が全身に届けられます。血流とともにリンパも流れやすくなり、ストレスの解消や疲労の回復が進みやすくなるほか、冷却刺激によって交感神経が優位になるのも特徴です。
一方、水風呂は冷却刺激によって呼吸器へのダメージが一時的に蓄積するほか、血管や心臓にも負担がかかります。一度の水風呂で意識が飛ぶことも稀にあるとのデータもあるため、無理は禁物です。
水風呂の精神への効果効能
水風呂は精神、いわゆるメンタルへの優れた影響が期待でき、心身の変化にも直結しやすいです。ここからは、水風呂の精神への効果効能を解説します。
- 興奮ホルモンの分泌
- 思考力・集中力の向上
- 自律神経のバランス調整
- ストレス・疲労の緩和
- メンタル不調の軽減
ここで挙げたものは、水風呂に期待できる精神的な効果や効能の一例です。メリットやデメリットの感じ方は人それぞれでも、水風呂の精神的な効力については具体的な研究データも出ています。
興奮ホルモンの分泌
水風呂に入ると、脳内でアドレナリンやノルアドレナリン、ドーパミンなどの神経伝達物質が分泌されることがあります。興奮ホルモンは、高揚感をもたらす神経伝達物質で、いわゆる“ととのい”のブースターです。
思考力・集中力の向上
水風呂では、思考力や集中力などの認知機能の向上も期待できます。
人間の脳内は一般的に、エネルギー消費の大部分をDMN(デフォルトモードネットワーク)が占めています。無意識に「明日は朝から仕事だ」「今日の夜は勉強だ」と考えることで、雑念が脳のキャパシティを超えてしまっている状態です。
一方、水風呂に入ると脳がクリアになり、全体的なパフォーマンスが向上しやすいです。
DMN(デフォルトモードネットワーク)は、脳のアイドリング状態のこと。
自律神経のバランス調整
水風呂は、過緊張を強制的にリセットできます。
- 水風呂で緊張状態がリセットされる
- 交感神経が優位な状態になる
- 自律神経が鍛えられる
- 調整しやすくなる
交感神経はアクセル、副交感神経はブレーキのようなものです。
SNSで常に気が休まらない現代人にとって、水風呂は心身を半ば強引に落ち着かせられる時間といえるでしょう。考え事を繰り返してしまう方ほど、強制シャットダウンが効くのではないでしょうか。
ストレス・疲労の緩和
苛立ちや疲れの軽減が期待できるのも、水風呂の魅力です。
水風呂による冷却は、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を抑制し、代わりに心身をリラックスさせる物質の分泌を促します。
筋肉の緊張がほどけ、疲労物質も排出されやすくなるとの情報も。
メンタル不調の軽減
フィンランドや日本のある研究では、定期的な温冷交代浴が気分の落ち込みを低減させる可能性が示唆されています。炎症反応の抑制や脳内物質の分泌により、メンタル不調の軽減が期待できるのです。
ただし、水風呂はあくまで習慣の1つであって、治療の代わりにはなりません。
私は、水風呂で「精神的に気が楽になった」と実感することがよくあります。
メンタルを安定させるために通うのもありですよね。
水風呂の肉体への効果効能
水風呂は肉体、いわゆるフィジカルへの優れた影響も期待でき、身体の変化にも直結しやすいです。ここからは、水風呂の肉体への効果効能を解説します。
- アイシング効果
- 筋肉増強・筋肉痛の軽減
- 肩こり・腰痛の緩和
- 新陳代謝の向上
- 心肺機能の向上
- 睡眠の質の向上
- 免疫力の向上
ここで挙げたものは、水風呂に期待できる肉体的な効果や効能の一例です。メリットやデメリットの感じ方は人それぞれでも、水風呂の肉体的な効力についても具体的な研究データが出ています。
アイシング効果
水風呂に入ると、全身の炎症箇所が一時的に鎮静します。これにより、安静後のような「静まりやすい状態」になります。
また、それぞれの腫れやむくみが引くことで、疼痛や発熱などの症状を抑えるのにも有効です。脂肪を燃焼させるミトコンドリアの活性化にもつながるなど、サウナとトレーニングは相乗効果が抜群です。
筋肉増強・筋肉痛の軽減
水風呂の冷却刺激によって行われるポンプ作用は、筋肉に滞留する炎症物質を除去してくれます。筋肉の修復のサイクルは、次の通りです。
- 損傷
- 炎症
- 再生
筋トレなどで筋肉に負荷がかかると、筋繊維に微細な損傷が生じます。これにより、一時的に筋力が衰える一方、体内の炎症物質を排出して再生し、筋肥大(超回復)が進むわけです。
肩こり・腰痛の緩和
肩こりや腰痛は、血行不良による筋肉のこわばりが主な原因のため、水風呂で緩和できる場合があります。
水風呂で血行が促進されると深部の筋肉まで血液が届き、凝り固まった組織がほぐれます。結果的に、血流によって痛みの原因物質が除去され、肩こりや腰痛もやわらぎやすいです。
ただし、水風呂の入りすぎには、注意が必要です。
新陳代謝の向上
血行促進による新陳代謝の向上も、水風呂に期待できる恩恵の1つ。
「温冷交代浴では基礎代謝が上昇する」とされ、細胞の活性化も促すとされています。水風呂自体の脂肪燃焼効果はわずかでも、痩せる土台作りにおすすめです。
心肺機能の向上
血管の収縮による心肺機能の向上も、水風呂に期待できる恩恵の1つ。
「温冷交代浴は人為的な血管のストレッチ」とされ、血管内皮機能が鍛えられます。適度な負荷がかかることで、心血管疾患の予防も期待できるのです。
睡眠の質の向上
水風呂の恩恵としてよく挙げられるのが、睡眠の質の向上です。
睡眠は、運動や食事に並ぶ大切な生活習慣の1つで、一度不眠症になるとさまざまな病気につながります。一方、水風呂を習慣化すると寝つきと目覚めがスムーズになり、よく眠れるとされています。
水風呂で睡眠の質が向上する課程は、次の通りです。
- サウナで一時的に深部体温が上がる
- 水風呂で急激に深部体温が下がる
- 外気浴で強烈な眠気が訪れる
いうなれば、水風呂は“熟睡のためのクライマックス”といえるでしょう。「なんだか眠りが浅い」と感じる方はぜひ水風呂を習慣化してみてはいかがでしょうか。
冷浴しすぎると、逆に眠れなくなる点には要注意。
免疫力の向上
ある研究によると、水風呂は体内の白血球を増加させ、ウイルスと戦う免疫機能も活性化するとされています。定期的に水風呂に入る方は、風邪をひきにくいというデータも存在するほどです。
正しい入浴法を守った場合に限ります。体温の下げすぎは風邪につながるため、注意が必要です。
私は、水風呂で「肉体的に頑丈になった」気がします。
フィジカルを強化するために通うのもありですよね。
水風呂に潜むリスク
水風呂を安全に楽しむためには、何が危険なのかを理解しておくことが必要です。次に、水風呂に潜むリスクを解説します。
- 医学的・科学的根拠の不足
- 過度な冷却刺激は逆効果
- 季節による夏・冬の変化
- “ととのい”への依存
水風呂は、健康や美容を目的にしても問題ありませんが、決して無理をしてはいけません。
医学的・科学的根拠の不足
いくつかの健康効果が報告されている水風呂ですが、万能薬として証明されているわけではありません。
現在は効能が進められている段階であって、エビデンスの乏しい情報も出回っています。「すべての方に同じ結果が保証されるものではない」という認識が必要です。
過度な冷却刺激は逆効果
水風呂で「冷たいほど良い」という誤解は禁物。
過度な冷却刺激は意識障害や失神を招く恐れがあります。安心して整うためにも、体調が優れない日は避けるのが無難です。
季節による夏・冬の変化
水風呂は、夏と冬で想定されるリスクが変わります。
| 夏の水風呂 | 冬の水風呂 |
|---|---|
| 外気温が高く冷めるまでの時間が長い | 外気温が低く冷めるまでの時間が短い |
| 夏バテの予防が期待できる | 冬バテの予防が期待できる |
| 低体温症になることがある | ヒートショックになることがある |
夏の水風呂は、汗が引くまで長時間かかるのに対して、冬の水風呂は、短時間で汗が引くため、要注意。どちらも夏バテ・冬バテを防止する効果が期待できる一方、夏の水風呂は低体温症に、冬の水風呂はヒートショックに陥りやすいため、体調管理は万全にしておきたいです。
“ととのい”への依存
今でこそサウナで整う習慣が定着してきましたが、“ととのい”を求めて体温を下げ続けるような行為は避けましょう。あくまで「水風呂=整うための手段」でしかありません。
なお、初心に戻ってサウナの起源や発祥の地、種類一覧から学び直したい方は次の記事をご覧ください。
水風呂の作用のQ&A


最後に、水風呂の作用のQ&Aとして、よくある質問をまとめました。
なお、ほかのコラムも読みたい方は、ととのい博士まとめページもあわせてご覧いただけると幸いです。次のページでは、サウナーに役立つ読み物をまとめています。
まとめ
今回は、水風呂の効果効能、精神と肉体への働き・メリットとデメリット、Q&Aを解説しました。
水風呂は、心身へのさまざまな効果が期待できます。一方、水風呂の効能にはメリットとデメリットの両方があるため、基本を押さえて行うのがベストです。
水風呂が身体にどのような変化をもたらすかは、人によって異なるため、実際に入りながら確かめていくのが理想。もしかすると、思ってもみなかった変化が見られるかもしれません。ぜひ、自分なりの楽しみ方で、理想のサウナライフをお過ごしください。
お忙しい中、最後までご覧いただきありがとうございました。では、ひとっととのい、いきましょう!
- 『医者が教えるサウナの教科書』加藤容崇/ダイヤモンド社
- 『究極の「サウナフルネス」世界最高の教科書』カリタ・ハルユ/東洋経済新報社
- 『サウナ語辞典』草彅洋平+AMAMI/誠文堂新光社
本日もお疲れ様でした。当サイトはサウナを愛するすべての人を応援しています。サウナをもっと知りたい方は、ほかの記事も覗いてみてください!
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水風呂の効果効能を知った後は、次の記事を参考にしながら実際に整ってみませんか?






