水風呂の正しい入り方は、「汗を流す⇒浴槽を選ぶ⇒姿勢・呼吸を正す⇒体温を下げる」という単純なものです。一方で、危険な入り方にもなりがちなため、安全にサウナを楽しめるよう正しい冷まし方・浸かり方を覚えておくと安心かもしれません。
今回は「水風呂の正しい入り方ガイド」をテーマに、冷まし方・浸かり方のコツ、初心者が気になるQ&Aまでわかりやすく解説します。みなさんも一緒に、水風呂に挑戦してみませんか?
「水風呂の手順・方法」を知ることで、サウナがもっと楽しくなるはずです。
私もみなさんと一緒に、ゆっくり学んでいきます。
水風呂に入ると身体はどうなる?


“ととのい”に欠かせないのが、水風呂という「日常にはない超低温の環境」です。水風呂の刺激は一時的なストレスになる一方、私たちの身体にとってポジティブな刺激となります。
- 低温環境で血管が収縮し血流が加速する
- 低温刺激で自律神経(交感神経)が優位になる
- 深部体温が下がって発汗が抑制される
初心者の方はまず、水風呂に入ると「身体の中で何が起こるのか」を理解するところから始めてみるのが安心かもしれません。
低温環境で血管が収縮し血流が加速する
低温の水風呂に入ると、体内では次のような指令が飛び交います。
- 指令1:今すぐ冷却刺激に備えよ!
- 指令2:血管を閉じて体温を維持せよ!
- 指令3:同時に老廃物も回収せよ!
水風呂に入ると、身体は「冷気を逃がさねば……」と反応します。これにより血管が収縮し、血行が平常時の約2倍にまで到達。ポンプ作用により血流が促されることで、栄養や酸素が全身に届けられ、溜まっていた疲労物質も一緒に回収されていくのです。
水風呂後に「脳がスッキリした」と感じるのは、そうした血行促進が主な理由です。
低温刺激で自律神経(交感神経)が優位になる
水風呂の低温環境は、血圧や心拍数を司る自律神経にも働きかけます。
具体的には、冷却刺激を受けると交感神経が優位になり、血圧や心拍数が一時的にジョギング時と同じくらい(毎分100~120回程度)にまで上昇するとされています。いわば、座ったまま心肺トレーニングを行っているような状態です。
医師であり日本サウナ学会代表理事の加藤容崇先生いわく、水風呂の急激な負荷は血管の弾力性を鍛え、自律神経の調整が期待できるとのことです。
深部体温が下がって発汗が抑制される
身体の芯の体温「深部体温」の下降は、整うために欠かせないピースです。
低温の水風呂では、脳が体温を一定に維持しようと発汗の抑制を命じます。すると、全身に張り巡らされている毛穴全体が閉じ、きめ細かな肌「玉肌」に生まれ変わるようになります。
なお、具体的な水風呂の種類一覧・効果効能は、次の記事で解説中です。
水風呂の正しい入り方ガイド
次に、水風呂の正しい入り方ガイドを解説します。ここでまとめる一連の流れは、初心者が“ととのい”やすくなるために必要なステップです。
- STEP1.汗を洗い流して水風呂に入る
- STEP2.浴槽(蛇口・水栓)を選ぶ
- STEP3.姿勢を工夫して冷ます
- STEP4.呼吸を一定にして浸かる
- STEP5.深部体温の下降を待つ
それぞれの流れに沿って実行するだけで、整うための土台が完成するでしょう。
STEP1.汗を洗い流して水風呂に入る
水風呂に入る直前、最も大切なのが「身体の汗を洗い流すこと」です。
汗が付着したままだと、全身を覆い尽くすボディスーツのように「汗の膜」が発生し、体温の下降を邪魔してしまいます。また、汗を洗い流したほうが、水風呂本来の冷たさがダイレクトに伝わり、温冷交代浴がスムーズになります。
何より、浴槽を汚さないためのマナーとして欠かせません。
必要に応じて、サウナグッズも使用するとより快適です。
■「グッズの使い方」記事は準備中
STEP2.浴槽(蛇口・水栓)を選ぶ
水風呂の体感温度は、蛇口に近いほど冷たく、遠いほどぬるく感じます。
- 噴出口のある箇所:ハードな冷たさ
- 噴出口のない箇所:ソフトな冷たさ
どこに座るかだけでなく、チラーの設備によっても循環や水流の感じ方に差が出るため、体調に合わせて選ぶことが大切です。
温度計は、座る位置よりも高めにあるのが一般的で、体感温度は表示温度よりも低めです。数字を過信するのではなく、段数で見極めることが求められます。
STEP3.姿勢を工夫して冷ます
水風呂では、姿勢の取り方で、冷まし具合が変わります。
実は、ただ腰かけているだけだと、手よりも足が先に冷めてしまいます。手元と足元で5℃前後の温度差が生じることもあるため、浴槽では「あぐら」や「体育座り」などの姿勢が理想です。
STEP4.呼吸を一定にして浸かる
水風呂は、呼吸の仕方によっても、肌寒さの度合いが変わります。
原則は、ゆっくりとした息遣いがおすすめです。息を「ふぅ~」っと吐きながら入ると、水風呂特有の息苦しさが緩和され、喉や肺の「痛い」「苦しい」といった苦痛もやわらぎやすいです。
STEP5.深部体温の下降を待つ
最後の数秒は、深部体温の下降を待ち、血圧や心拍数に目を向けてみてください。
澄み切った肌の感覚、脈を打つ心臓の鼓動、水風呂の冷たさが全身を包み込んでいく快感に身を委ねます。考え事はやめて、ただ水風呂と一体になり「背中の中心が冷めた」と感じたら出る合図です。
あわせて、サウナ・水風呂・外気浴の整い方&入り方の全体像を把握したい方は、次の記事も一緒にチェックしておきましょう!
水風呂での冷まし方・浸かり方のコツ
次に、水風呂での冷まし方・浸かり方のコツを解説します。ここでまとめるポイントは、初心者がより安定して整えるようになるためのノウハウです。
- 初心者でも入れる水風呂の適温を見つける
- 滞在時間や着席場所を固定しない
- 腹式呼吸を活用してリラックスする
- バイブラによる気泡を利用する
そこまで敏感になる必要はありませんが、念のため留意しておいてはいかがでしょうか。
初心者でも入れる水風呂の適温を見つける
サウナ初心者の方は、まず自分が入れる水風呂の適温を見極めておくと安心です。
水風呂が冷たすぎるのは、もしかすると体質に合う適性温度に出会っていないだけかもしれません。むしろ、適温がわかれば「ここの水風呂は約15℃か」「それなら何分耐えられるかな」と冷静に判断できます。
10℃が無理そうなら15℃、15℃が無理そうなら20℃でも問題はありません。
滞在時間や着席場所を固定しない
水風呂の入り方で大切なのは、滞在する時間や着席する場所を決めないこと。
水風呂では、「〇〇分は我慢すべき」「〇〇段目で辛抱すべし」といった強引な耐え方は禁物です。サウナドクターの加藤容崇先生も「時計ではなく血圧や心拍数で判断すべき」と述べています。
腹式呼吸を活用してリラックスする
冷気で呼吸が浅くなりがちなときこそ、息を鼻から吸って口から吐く腹式呼吸をお試しください。
腹式呼吸は、空気で腹部を膨らませては縮ませる呼吸法で、副交感神経が優位になるとされています。深呼吸によって横隔膜が上下することで内蔵もマッサージされ、血行促進にもつながりやすいです。
ゆっくりとした呼吸をすると、水風呂の急速冷却にも案外耐えられます。どうしても息苦しい場合は、腕を組む(水が当たる表面積を抑える)と比較的楽です。
バイブラによる気泡を利用する
なかなか身体が冷めない場合は、バイブラの気泡を利用しましょう。
バイブラは、敷いたバイブラマットで風を送って気泡を発生させる装置で、サウナ施設には主にファインバブルとマイクロバブルがあります。どちらも、効率的に身体を冷やしたいときに便利です。
| バイブラあり | バイブラなし |
|---|---|
| 体感温度がより下がる | 体感温度が変わらない |
| 深部体温もより下がる | 深部体温も変わらない |
| 音や揺れに癒される | 追加要素はない |
バイブラによる気泡は羽衣を剥がし、汗が引きにくい方でもすぐに冷めます。「背中の真ん中が冷めた」と感じたら出るべきです。
水風呂の冷却を司るシステムは、チラーといいます。
チラーは、皮膚表面に「接触冷感」を生み出してダイレクトに冷たさを届けるためのものです。
水風呂後の理想的な動線
「水風呂に入った後はどうするの?」と不安な方は、水風呂後の理想的な動線も把握しておくと安心です。ここでまとめる行動で、“ととのい”具合が左右されます。
- 水を拭き取る
- 外気浴で整う
初心者も熟練者も、水風呂から外気浴・サウナまでは滞りなく行うことが大切です。“ととのい”を迎えるまで集中を切らさないよう、動線を意識した動きが求められます。
水を拭き取る
水風呂を出たら、タオルで水を拭き取ってください。
これは外気浴の椅子を清潔に保つのはもちろん、急激な体温変化から全身を守るためでもあります。それぞれ水を拭き取ったら、外気浴前の準備は完了です。
外気浴で整う
水を拭き取ったら、いよいよ外気浴へ……。
なお、深部体温をしっかり下げておくと、極楽のような外気浴が楽園に進化します。外気浴を“至福のパラダイス”にするためにも、水風呂では十分に身体を冷ましておくことが大切です。
なお、外気浴の正しい整い方は、次の記事で詳しく解説しています。休み方・仕上げ方のコツを理解すれば、もう“ととのい”寸前です。
水風呂の入り方のQ&A


最後に、水風呂の入り方のQ&Aとして、よくある質問をまとめました。
なお、水風呂全般のガイドを知りたい方は、水風呂ページもあわせてご覧いただけると幸いです。次のページでは、サウナーに役立つ情報を体系的に学べます。
まとめ
今回は、水風呂の正しい入り方ガイド、冷まし方・浸かり方のコツ、Q&Aを解説しました。
水風呂では、正しい入り方が大切です。初めての温浴施設では、冷まし方・浸かり方を気にしている暇もないかもしれませんが、やり方さえ誤らなければ、誰でも“ととのい”の達人になれます。
逆に、間違った入り方をすると温冷交代浴のリズムが崩れ、整えなくなることも……。だからこそ、ぜひ今回の記事を定期的に読み返しながら楽しんでみてください。
お忙しい中、最後までご覧いただきありがとうございました。では、ひとっととのい、いきましょう!
- 『医者が教えるサウナの教科書』加藤容崇/ダイヤモンド社
- 『究極の「サウナフルネス」世界最高の教科書』カリタ・ハルユ/東洋経済新報社
- 『サウナ語辞典』草彅洋平+AMAMI/誠文堂新光社
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サウナ・水風呂・外気浴という言葉を知りたい方、サウナの起源・発祥の地を学びたい方は、次の記事も一緒にチェックしてみませんか?









