外気浴の正しい整い方は、「水を拭く⇒椅子を選ぶ⇒姿勢・呼吸を正す⇒整う」という単純なものです。一方で、整う感覚がいまいちわからないという方もいるため、サウナをより楽しめるよう正しい休み方・仕上げ方を覚えておくと安心かもしれません。
今回は「外気浴の正しい整い方ガイド」をテーマに、休み方・仕上げ方のコツ、初心者さん・常連さんが気になるQ&Aまでわかりやすく解説します。
外気浴の工程、1つ1つにしっかりと意味があります。
サウナ・水風呂とセットで行うことに意味があるからこそ、正しいやり方が必要なんですよね!
外気浴で整うと身体はどうなる?


外気浴は、血流を安定させて自律神経(副交感神経)を整え、緊張から解放するためのものです。まずは、外気浴で整うと身体はどうなるかを解説します。
- 収縮した血管が拡張して血流が安定する
- 瞬時に自律神経(副交感神経)が優位になる
- 深部体温が戻って緊張から解放される
- 脳内物質が分泌される
収縮した血管が拡張して血流が安定する
外気浴で整うと、体内では次のような指令が飛び交います。
- 指令1:危機は去った!直ちに血管を解き放て!
- 指令2:全身の末端まで血流を届けるのだ!
- 指令3:お疲れさん!各自、休め!
サウナ・水風呂で危機的な状況から脱すると、身体は「もう安心だ……」と判断します。これにより、一時的に収縮していた血管が再び拡張。波のように押し寄せる血流に乗り、普段は滞りやすい細胞の隅々・末梢の血管まで栄養と酸素が届けられるのです。
外気浴中に「なぜか暖かい」「まったく寒くない」と感じるのは、そうした血行の再活性化が主な理由です。
瞬時に自律神経(副交感神経)が優位になる
外気浴での休憩は、自律神経を劇的に切り替えてくれます。
具体的には、極限の緊張(サウナ・水風呂)でアクセルを踏みっぱなしだった状態から抜け出すことで、ブレーキ役の副交感神経が優位になります。お昼寝前の安堵感とランニング後のような高揚感が同居する“自律神経の共存”こそが、“ととのい”の正体です。
外気浴による自律神経の切り替えは、脳を強制的に思考停止させ、マインドフルネス状態に導いてくれるのが特徴です。
深部体温が戻って緊張から解放される
身体の芯の体温「深部体温」の正常化もまた、整うために欠かせないピースです。
「サウナ⇒水風呂⇒外気浴」により、深部体温は上がって下がって戻ることを繰り返します。途中、脳の血流が15~20%ほど増加し、「脳のゴミ」がリセットされやすくなります。
脳内物質が分泌される
サウナ・水風呂を経て外気浴を行うと、次のような脳内物質が分泌されます。
| 受動的なホルモン | 能動的なホルモン |
|---|---|
| エンドルフィン (天然の鎮痛剤) | アドレナリン (闘争・逃走ホルモン) |
| オキシトシン (愛のホルモン) | ノルアドレナリン (闘争・逃走ホルモン) |
| セロトニン (幸せホルモン) | ドーパミン (やる気スイッチ) |
具体的には、快楽物質のエンドルフィンや幸福物質のドーパミンなどです。
ある研究では「短時間のサウナは、ストレスホルモンのコルチゾールを減少させ、テストステロンを増加させる」という結果も出ています。一部で「長時間のサウナは、生殖機能を低下させる」との指摘がある一方、利用を控えれば一定期間で回復すると報告されているため、過度な心配は不要です。
なお、外気浴は、マナーやグッズを理解してこそ真価を発揮するもの。次でまとめているサウナ・水風呂・外気浴のマナーや礼儀作法、服装や持ち物の確認もお忘れなく。
外気浴の正しい整い方ガイド【初心者向け】
外気浴では、水を拭き取ってから椅子を選び、姿勢・呼吸をゆるめてから“ととのい”を味わうのが一般的です。ここからは、外気浴の正しい整い方ガイドを解説します。
- STEP1.水を拭き取って外気浴で整う
- STEP2.椅子(チェア・ベッド)を選ぶ
- STEP3.力を抜いた姿勢で休む
- STEP4.落ち着いた呼吸で仕上げる
- STEP5.“ととのい”を味わう
STEP1.水を拭き取って外気浴で整う
外気浴で整う直前、最も大切なのが「身体の水を拭き取ること」です。
水が付着したままだと、水分が蒸発するときに熱を奪う「気化熱」が発生し、体温の安定を邪魔してしまいます。また、水を拭き取ったほうが、外気浴本来のうららかさがダイレクトに伝わり、温冷交代浴がスムーズになります。
何より、椅子を汚さないためのマナーとして欠かせません。
なお、外気浴の休憩マナーは、次の記事をご覧いただけると幸いです。
STEP2.椅子(チェア・ベッド)を選ぶ
外気浴で最大限に整うためには、ただ座るよりも寝そべるのがベストです。
温浴施設によって置かれている椅子は、角度が固定されているアディロンダックチェアや角度を調整できるリクライニングチェアが定番ですが、寝転がるならインフィニティチェアが理想です。横になると筋肉がゆるみ、重力による血流への負荷も最小限にできます。
場合によっては特殊な椅子もありますが、頭から手足までが一直線になることを意識するとより整いやすくなります。
もちろん、椅子の角度はフルフラットでなくても問題ありません。個人的には、定山渓温泉「休日ビルヂング」で味わったハンギングチェアの浮遊感も癖になりそうな感覚でした。
なお、具体的な外気浴の種類一覧・効果効能は、次の記事からどうぞ。
STEP3.力を抜いた姿勢で休む
外気浴の姿勢では、極限まで脱力すると身体が「浮いている」あるいは「沈み込んでいく」ような不思議な浮遊感が味わえます。
視界を遮断して感覚を研ぎ澄ませるだけで、重力からの解放をより感じられるはずです。
STEP4.落ち着いた呼吸で仕上げる
外気浴の呼吸では、目を閉じて瞑想すると「そよ風の気持ち良さ」や「日差しの心地良さ」に包まれているような安堵感が押し寄せるはずです。
自分の鼓動に耳を澄ませると、余計な思考も強制的に停止できます。
STEP5.“ととのい”を味わう
ここまで、お疲れ様でした。
お風呂・シャワーから「サウナ⇒水風呂⇒外気浴」と順調に進んできたみなさんは、もう“ととのい”の達人です。コンディションによって整えない日があっても、心配はいりません。温冷交代浴の流れさえ守っていれば誰でも整えます。
無理に整おうとする必要もありません。
自分なりのサイクルを見つけるのが、“ととのい”への近道です。ルーティンは人それぞれ。自分に合ったやり方を追求することが「あなたのサ道」となります。
あわせて、サウナ・水風呂・外気浴の整い方や入り方の全体像を把握したい方は、次の記事も一緒にチェックしてみませんか?
外気浴の休み方・仕上げ方のコツ【常連向け】
外気浴では、適温を見つけること・動線はできる限り「最短距離」を目指すこと・涼みすぎを防止すること・バスローブで調整することがコツです。ここでは、外気浴の休み方・仕上げ方のコツを解説します。
- 外気浴の適温を見つける
- 動線はできる限り「最短距離」を目指す
- 内気浴によって涼みすぎを防止する
- バスローブで体感温度を調整する
外気浴の適温を見つける
サウナ初心者さんも常連さんも、まず自分が整える外気浴の適温を見極めておくと安心です。
外気浴が暑すぎたり寒すぎたりすると、集中が途切れて整えなくなることがあるため、体質に合う適正温度に身を置くことが大切です。気温は人間の力ではどうにもなりませんが、春夏秋冬といった季節を意識すると比較的整いやすくなります。
理想は20℃前後。夏は日当たり、冬は風通しにも注目。
動線はできる限り「最短距離」を目指す
“ととのい”の動線は、最短距離で行えるかどうかがターニングポイント。
サウナ界隈では、よく「動線は5~10歩以内」が目標とされ、サウナ・水風呂・外気浴をいかにノンストップで済ませられるかが大切といわれています。サウナから水風呂、外気浴までは1~2分以内で完結させるのが理想です。
温冷交代浴による数分間の高低差が、整うための分かれ道といっても過言ではありません。
内気浴によって涼みすぎを防止する
外で涼みすぎると、せっかく温まった身体が冷めて整えなくなることがあるため、ご注意ください。
もし室外が涼しそうな場合は、室内での内気浴も試してみましょう。
内気浴は、外気温を気にせずゆっくりと血圧・心拍数を落ち着かせられ、涼みすぎを防げます。夏場は大丈夫でも、冬場は中で休憩したほうが“ととのい”やすいです。
バスローブで体感温度を調整する
外気浴で安定して整うためには、バスローブを着用するのもありです。
バスローブは、別名「着るバスタオル」と呼ばれる着衣で、温まった身体を冷まさずに外気浴できます。
| バスローブあり | バスローブなし |
|---|---|
| 身体が温かくなりやすい | 身体が冷たくなりやすい |
| 安定して整える可能性がある | 極限まで整える可能性がある |
| 優雅なひとときを味わえる | 自然との一体感を得られる |
一般的なサウナ施設でバスローブを使用している方はあまり見かけませんが、一着あると心強いかもしれません。特に、極端な暑さや寒さに弱い方ほど、持参をご検討ください。一部、使用禁止の場合もあるため、一度確認してから着用しましょう。
外気浴での瞑想状態は、サウナフルネスといいます。
サウナフルネスは、サウナとマインドフルネスを組み合わせた造語で、肉体内部に意識を向けて精神統一するためのものです。
外気浴後の理想的な動線
「外気浴で整った後はどうするの?」と不安な方は、とりあえず「同じ工程を2~3セット繰り返して各セット毎に水分補給を行う」もしくは「休憩スペースで整う」とだけ覚えておけば安心です。次に、外気浴後の理想的な動線を解説します。
- 同じ工程を2~3セット繰り返す
- 各セット毎に水分補給を行う
- 休憩スペースで整う
同じ工程を2~3セット繰り返す
外気浴をやめたら、「サウナ・水風呂・外気浴」を1セットとして同じ工程を2~3セット繰り返してください。
1セット目で整った場合は何セットも続ける必要はありませんが、2~3セット目もしくは4~5セット目まで続けたほうが“ととのい”やすくなります。なお、連続で温冷交代浴を行う場合は、必ず各セットの合間に水分補給を行うことが大切です。
各セット毎に水分補給を行う
何度かセットを繰り返す場合は、各セット毎に水分補給を行うことが求められます。
タイミングは、「外気浴が終わった後」もしくは「次のセットを始める前」が最適です。どれくらいの量を摂取するかに決まりはありませんが、コップ1~2杯分が適量とされています。
お茶やスポーツドリンク、ミネラルウォーターがおすすめです。
休憩スペースで整う
何セットか繰り返して整ったら、浴室を出て休憩スペースへ……。
休憩所には、仮眠室や食事処が併設されていることがあります。温冷交代浴でふわふわした状態のまま、うたた寝をしたりご飯をいただいたりするのも醍醐味の1つです。
中には、ゲームコーナーやコミックコーナー、マッサージチェアを完備した健康ランドやスーパー銭湯も。
なお、サウナ後の休憩スペースの正しい過ごし方は、次の記事で詳しく解説しています。楽しみ方のコツを理解すれば、“ととのい”は完全制覇です。
外気浴の整い方のQ&A


最後に、外気浴の整い方のQ&Aとして、よくある質問をまとめました。
なお、外気浴全般のガイドを知りたい方は、外気浴ページもあわせてご覧いただけると幸いです。次のページでは、サウナーさんに役立つ情報を体系的に学べます。
まとめ
今回は、外気浴の正しい整い方ガイド、休み方・仕上げ方のコツ、Q&Aを解説しました。
外気浴では、正しい整い方が大切です。初めての温浴施設では、休み方・仕上げ方を気にしている暇もないかもしれませんが、やり方さえ誤らなければ、誰でも“ととのい”の達人になれます。
逆に、間違った整い方をすると温冷交代浴のリズムが崩れ、整えなくなることも……。だからこそ、ぜひ今回の記事を定期的に読み返しながら楽しんでみてください。
お忙しい中、最後までご覧いただきありがとうございました。では、ひとっととのい、いきましょう!
- 『医者が教えるサウナの教科書』加藤容崇/ダイヤモンド社
- 『究極の「サウナフルネス」世界最高の教科書』カリタ・ハルユ/東洋経済新報社
- 『サウナ語辞典』草彅洋平+AMAMI/誠文堂新光社
本日もお疲れ様でした。当サイトはサウナを愛するすべての人を応援しています。サウナをもっと知りたい方は、ほかの記事も覗いてみてください!
ちょっとでも学びがあったら、ぜひSNSで共有してもらえると嬉しいです。ではまた、次の記事でお会いしましょう!
サウナ・水風呂・外気浴という言葉を知りたい方、サウナの起源・発祥の地を学びたい方は、次の記事も一緒にチェックしてみませんか?
※本記事は、温泉ソムリエ&サウナ・スパ健康アドバイザーの資格を持つ筆者による「健康情報の一般的な解説」であり、診断や治療を目的としたものではございません。体調に不安のある方は、まず専門医にご相談を。












