ドイツ式サウナと日本式サウナの違い|現地事情・特徴

ドイツ式サウナと日本式サウナの違い|現地事情・特徴

ドイツと日本のサウナの主な違いは、温度や湿度、施設の設計、入浴方式などにあります。同じサウナでも、国によって文化も歴史も別物です。現にドイツでは「ウェルネスやパフォーマンスの一部」、日本では「リフレッシュやレジャーの一環」という扱いが一般的です。

今回は「ドイツ式サウナと日本式サウナの違い」をテーマに、現地事情・特徴、サウナ初心者さん・常連さんが気になるQ&Aをわかりやすく解説します。

当記事は、温泉ソムリエ×サウナ・スパ健康アドバイザー×世界26カ国訪問×ライター歴12年の筆者の経験や調査をもとにまとめています。記事末には、参考文献も掲載中です。

はるまる

一見、似たように見えるサウナも、日本のものとは認識が変わります。

ぴちどん

アウフグース大国、ドイツ……私もいつか行ってみたいです!

目次

ドイツと日本のサウナは同じもの?

ドイツと日本のサウナは「同じルーツを持つ入浴法」です。しかし、すべてが同じわけではありません。まずは、ドイツと日本のサウナは同じものなのかを専門家目線で解説します。

結論からいうと、日本のサウナとドイツのサウナは、厳密には別物といえます。

ドイツをひとことで表現するなら「アウフグースの本場」……日本と同様に独自のカルチャーとして発展しており、サウナのあり方(捉え方や向き合い方)もドイツならではです。

  1. ドイツ:サウナ=ウェルネス・パフォーマンスの一部
  2. 日本:サウナ=リフレッシュ・レジャーの一環

ドイツでも日本でも、サウナは健康や美容のために行くこともあれば、ストレス解消や疲労回復のために行くこともあるため、まったく同じではないものの似たようなサウナ文化・歴史が「異なる方向へ進化した」と考えるとイメージしやすいかもしれません。

なお、サウナの起源・発祥の地や他国との違いに関しては、次の記事で詳しく解説しています。

ドイツ式サウナと日本式サウナの違い

サウナ-0

ドイツと日本のサウナの主な違いは、「位置づけ・衣服の有無・温度や湿度・混浴の可否・施設の設計・入浴方式」などです。ここからは、ドイツ式サウナと日本式サウナの違いを解説します。

ドイツ式サウナと日本式サウナの相違点
  • 違い①:位置づけ
  • 違い②:衣服の有無
  • 違い③:温度や湿度
  • 違い④:混浴の可否
  • 違い⑤:施設の設計
  • 違い⑥:入浴方式

違い①:位置づけ

ドイツと日本では「癒されるためにサウナに行く」という点は共通しているものの、サウナという存在自体の社会的な位置づけが若干異なります。

ドイツ式サウナ日本式サウナ
ウェルネス・パフォーマンスの一部リフレッシュ・レジャーの一環

ドイツにおいてサウナは、単なる入浴施設ではなく「精神と肉体を浄化する休養施設」という真剣な位置づけです。医師が予防医療としてサウナを推奨していることもあり、ドイツの方々の生活にも密接に関係しています。

一方、日本のサウナは「心身をととのえて気持ち良くなるための施設」という立ち位置であり、休日前や仕事後に至福のひとときを過ごすリラックス空間として楽しむのが一般的です。

違い②:衣服の有無

サウナに入るときの衣服の有無には、各国ならではの衛生面や価値観へのこだわりが表れています。

ドイツ式サウナ日本式サウナ
基本は全裸(水着は状況次第)基本は全裸(水着は状況次第)

どちらも「衣服を身につけない」という点は共通しているものの、入浴時のスタイルが異なります。

たとえば、ドイツの公衆サウナは「水着入浴=不衛生」との観点から、サ室内での着用を禁止しているのが一般的で、代わりに汗を落とさないよう大判のタオルを座面に敷いたり、全身に巻いたりして座るスタイルが主流です。

対して、日本の大衆サウナはベンチに直接腰かける方も一定数いるものの、汚れないようマットを利用するなど、お客さん同士でモラルを守るのが鉄則です。

違い③:温度や湿度

サ室の設定も各国で違い、国によって温度や湿度にも差があります。

ドイツ式サウナ日本式サウナ
中温中湿(70~90℃・20~30%前後)高温低湿(80~100℃・10%前後)

ドイツ式サウナはカラッとしているものの、温度は中温・湿度は中湿(アウフグースによる蒸気熱で一気に発汗を促すタイプ)が主流です。日本式サウナもムシッとしたところがあるものの、温度は高温・湿度は低湿(サウナストーブ・ストーンの対流熱や輻射熱で徐々に発汗を伴うタイプ)が一般的となっています。

店舗ごとにも変わるなど、温度と湿度はサウナの個性が最も光る要素の1つといえそうです。

どちらにも個性豊かなサウナがあり、必ずしも温度や湿度は均一ではありません。日本にはドイツの様式を取り入れたサウナもあるため、実際に比較してみると両者の差がわかりやすいかもしれません。

違い④:混浴の可否

サウナに誰と入るかなど混浴の可否も、各国ならでは風習的な違いが出ています。

ドイツ式サウナ日本式サウナ
原則は男女混浴(男女で混同)原則は男女別(男女で区別)

ドイツの公衆サウナは「全裸での男女混浴」が当たり前です。現地ではサウナが公共スペースとして認識されており、異性の凝視など性的な目線は一切持ち込まないことが徹底されています。

対して、日本の大衆サウナは公衆浴場法や風営法などの理由から、例外を除いて「完全に男女別」で、各自独立した場所で自分自身と向き合う形がオーソドックスです。

違い⑤:施設の設計

施設のスケールやディテールにも独自性があり、国ごとに違うのも面白いところです。

ドイツ式サウナ日本式サウナ
・静かで暗めなサウナ
・人工由来の水風呂
・沈黙するための外気浴
・賑やかで明るめなサウナ
・徹底管理の水風呂
・休憩するための外気浴

ドイツの温浴施設は「サウナランド」とも呼ばれ、広大な敷地に10種類超のサウナ小屋や巨大プール、休憩ルームが併設されたテーマパークのような造りとなっています。日本にも健康ランドやスーパー銭湯など趣向を凝らしたサウナ施設があるものの、全体的な導線は比較的コンパクトです。

温度計や12分計、テレビがあるかないかも両国の違いといえます。

両方の国におしゃれなサウナがあり、施設の設計もユニークです。ドイツでは豪華なクアハウスから質素なバーデハウスまで多彩なインフラが構築され、独自の体験価値を追求しています。

違い⑥:入浴方式

入浴中の過ごし方や入浴後の楽しみ方など、独特の入浴方式が見られるのもドイツと日本の違いです。

ドイツ式サウナ日本式サウナ
サウナ⇒水風呂・外気浴サウナ⇒水風呂⇒外気浴

ドイツは、アロマ水をサウナストーブ・ストーンにかけてタオルで仰ぐ「アウフグースの聖地」で、現地の「アウフギーサー(熱波師)」は国家資格並みの教育を受けています。サ室は普段、静寂に包まれているものの、アウフグース中は別。退室後はプールで泳いだり、休憩所で休んだりと贅沢な時間を堪能するのが醍醐味です。

他方、日本はアウフグースが主役というより温冷交代浴がメインで、退室後はキンキンの水風呂に浸かり、外気浴でととのうのが定番となっています。

なお、ととのうという概念は日本だけのもので、ドイツにはありません。

はるまる

現地と日本のサウナは、似て非なるもの……どちらも魅力的です。

ぴちどん

ドラマチックなタオルの風を体感できるドイツ版アウフグースは、一度体験する価値があると思います!

ドイツ式サウナと日本式サウナの比較表

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ドイツと日本のサウナの違いは、比較表にするとわかりやすいです。ここでは、ドイツ式サウナと日本式サウナの比較表を掲載します。

ドイツ式サウナと日本式サウナの違いを一覧にした比較表は、以下の通りです。

相違点ドイツ式サウナ日本式サウナ
位置づけウェルネス・パフォーマンスの一部リフレッシュ・レジャーの一環
衣服の有無基本は全裸(水着は禁止傾向)基本は全裸(水着は施設次第)
温度や湿度中温中湿(70~90℃・20~30%前後)高温低湿(80~100℃・10%前後)
混浴の可否原則は男女混浴(男女で混同)原則は男女別(男女で区別)
施設の設計・静かで暗めなサウナ
・人工由来の水風呂
・沈黙するための外気浴
・賑やかで明るめなサウナ
・徹底管理の水風呂
・休憩するための外気浴
入浴方式サウナ⇒水風呂・外気浴サウナ⇒水風呂⇒外気浴

以上のように、同じサウナでもドイツと日本とではさまざまな面が違うといえるでしょう。この違いを知ってから入ることで、よりサウナというカルチャーそのものの奥深さを感じられるのではないでしょうか。

仮に、現地にまで行けないとしても、違いを知っておくだけで視点が変わります。

なお、サウナ入浴を存分に楽しむには、サウナ・水風呂・外気浴の種類一覧や効果効能も知っておくと安心です。具体的な種類一覧や効果効能は、次の記事で解説しています。

ドイツ式サウナの現地事情・特徴

ドイツのサウナは日本とは違い、形式・普及率・料金などにも違いがあるため、参考情報として知っておくと安心です。次に、ドイツ式サウナの現地事情・特徴を解説します。

ドイツ式サウナの現在地
  • サウナの形式
  • サウナの普及率
  • サウナの料金

サウナの形式

ドイツのサウナ形式は、中温中湿のドライサウナが主流

現地のサウナはドイツ語で「ザウナ」と呼ばれ、「アウフグースが主役」といわれるほど盛んに行われています。現地ではアウフグースで大量の汗をかき、家族や恋人、友達と交流する……まさにサウナはドイツ人にとっての社交場なのです。

ドイツサウナは、徹底的なルールの中で体験する喝采と静寂のギャップが魅力

サウナの普及率

ドイツのサウナ普及率は、厳密な統計があるわけではないものの、世界トップクラスのサウナ大国であることは間違いありません。

現地では、国民約8,480万人対してサウナ推定約1,700万室とされています。公共施設だけでなくジムやプールにまで設置されているほどです。

サウナの料金

ドイツのサウナ料金は、約2,400円~5,600円前後が相場(滞在コースや体験プランによって差あり)

傾向として、庶民派サウナは比較的安いものの、本格派サウナは数千円から数万円を超えることもあります。ただし、サウナのクオリティは日本のデラックススパに匹敵するため、海外旅行など特別な日の思い出と考えると必ずしも高いとはいえないです。

はるまる

ドイツ人にとって、サウナは「狂喜乱舞するための場所」。アウフグース大国ならではの温浴体験は人生で一度は体験すべきです。

ぴちどん

日本のサウナにはない音楽や照明など、ライブ感のある演出はアウフグースの本場ならではのものといえますよね!

ドイツのサウナのQ&A

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最後に、ドイツのサウナのQ&Aとして、よくある質問をまとめました。

現地の人々は毎日サウナに入る習慣がある?

人によって異なるものの、ドイツでは週に何度もサウナを利用する方が多いです。毎日の日課として定着しているため、日本と同等もしくは頻繁な傾向があります。毎日サウナに入ることも少なくありません。

ドイツと日本のサウナに優劣はない?

どちらが劣っていてどちらが優れているということはありません。ドイツも日本も独自のサウナ文化を持っており、歩んできた歴史もさまざまです。機会があれば、両方試してみることをおすすめします。

ドイツのサウナは日本人でも入れる?

可能です。ドイツは観光客向けや旅行者向けの温浴施設も多く、英語表記がある場所も少なくありません。一方、日本語表記はあまり見かけないため、サウナ施設ごとの決まりに関しては事前の確認が推奨されます。

ドイツ人は日本のサウナにどういう印象を持っている?

日本ならではのサウナカルチャーに驚く方もいます。他方、ドイツからの観光客や旅行者の中には、ジャパニーズサウナが気に入り、再訪する方も珍しくはないです。

なお、ほかのコラムも読みたい方は、ととのい博士まとめページもあわせてご覧いただけると幸いです。次のページでは、サウナーさんに役立つ読み物をまとめています。

まとめ

今回は、ドイツ式サウナと日本式サウナの違い、現地事情・特徴、Q&Aを解説しました。

ドイツ式サウナと日本式サウナの違いは、概して「位置づけ・衣服の有無・温度や湿度・混浴の可否・施設の設計・入浴方式」にあるといえます。最近では、店舗によって趣向を凝らしたところもあるため、必ずしも国ごとに違うわけではありませんが、サウナの文化や歴史は千差万別です。

異国のサウナは、身体の蒸し方1つとっても別物です。国によっては「サウナ=自然と一体になる場」だったり「サウナ=心身を解放する場」だったり、過ごし方や楽しみ方が根本的に違います。いつかドイツのサウナに入ってみたいという方は、ぜひサウナの熱が冷めないうちに叶えに行ってください。

お忙しい中、最後までご覧いただきありがとうございました。では、ひとっととのい、いきましょう!

参考文献
  • 『医者が教えるサウナの教科書』加藤容崇/ダイヤモンド社
  • 『究極の「サウナフルネス」世界最高の教科書』カリタ・ハルユ/東洋経済新報社
  • 『サウナ語辞典』草彅洋平+AMAMI/誠文堂新光社
はるまる

本日もお疲れ様でした。当メディアはサウナを愛するすべての人を応援しています。サウナをもっと知りたい方は、ほかの記事も覗いてみてください!

ぴちどん

ちょっとでも学びがあったら、ぜひSNSで共有してもらえると嬉しいです。ではまた、次の記事でお会いしましょう!

実際にととのいを体験してみたい方は、次の記事も一緒にチェックしてみませんか?

※本記事は、温泉ソムリエ&サウナ・スパ健康アドバイザーの資格を持つ筆者による「健康情報の一般的な解説」であり、診断や治療を目的としたものではございません。体調に不安のある方は、まず専門医にご相談を。

明日も頑張れますように!
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