ロシア式サウナと日本式サウナの違い|現地事情・特徴

ロシア式サウナと日本式サウナの違い|現地事情・特徴

ロシアと日本のサウナの主な違いは、温度や湿度、施設の設計、入浴方式などにあります。同じサウナでも、国によって文化も歴史も別物です。現にロシアでは「コンディショニングやチューニングの一部」、日本では「リフレッシュやレジャーの一環」という扱いが一般的です。

今回は「ロシア式サウナと日本式サウナの違い」をテーマに、現地事情・特徴、サウナ初心者さん・常連さんが気になるQ&Aをわかりやすく解説します。

当記事は、温泉ソムリエ×サウナ・スパ健康アドバイザー×世界26カ国訪問×ライター歴12年の筆者の経験や調査をもとにまとめています。記事末には、参考文献も掲載中です。

はるまる

一見、似たように見えるサウナも、日本のものとは認識が変わります。

ぴちどん

ヴィヒタ・ウィスキング大国、ロシア……私もいつか行ってみたいです!

目次

ロシアと日本のサウナは同じもの?

ロシアと日本のサウナは「同じルーツを持つ入浴法」です。しかし、すべてが同じわけではありません。まずは、ロシアと日本のサウナは同じものなのかを専門家目線で解説します。

結論からいうと、日本のサウナとロシアのサウナは、厳密には別物といえます。

ロシアをひとことで表現するなら「ヴィヒタ・ウィスキングの本場」……日本と同様に独自のカルチャーとして発展しており、サウナのあり方(捉え方や向き合い方)もロシアならではです。

  1. ロシア:サウナ=コンディショニング・チューニングの一部
  2. 日本:サウナ=リフレッシュ・レジャーの一環

ロシアでも日本でも、サウナは健康や美容のために行くこともあれば、ストレス解消や疲労回復のために行くこともあるため、まったく同じではないものの似たようなサウナ文化・歴史が「異なる方向へ進化した」と考えるとイメージしやすいかもしれません。

なお、サウナの起源・発祥の地や他国との違いに関しては、次の記事で詳しく解説しています。

ロシア式サウナと日本式サウナの違い

サウナ-0

ロシアと日本のサウナの主な違いは、「位置づけ・衣服の有無・温度や湿度・混浴の可否・施設の設計・入浴方式」などです。ここからは、ロシア式サウナと日本式サウナの違いを解説します。

ロシア式サウナと日本式サウナの相違点
  • 違い①:位置づけ
  • 違い②:衣服の有無
  • 違い③:温度や湿度
  • 違い④:混浴の可否
  • 違い⑤:施設の設計
  • 違い⑥:入浴方式

違い①:位置づけ

ロシアと日本では「癒されるためにサウナに行く」という点は共通しているものの、サウナという存在自体の社会的な位置づけが若干異なります。

ロシア式サウナ日本式サウナ
コンディショニング・チューニングの一部リフレッシュ・レジャーの一環

ロシアにおいてサウナは、単なる入浴施設ではなく「精神と肉体を鍛錬する休養施設」という真摯な位置づけです。医師が予防医療としてサウナを推奨していることもあり、ロシアの方々の生活にも密接に関係しています。

一方、日本のサウナは「心身をととのえて気持ち良くなるための施設」という立ち位置であり、休日前や仕事後に至福のひとときを過ごすリラックス空間として楽しむのが一般的です。

違い②:衣服の有無

サウナに入るときの衣服の有無には、各国ならではの衛生面や価値観へのこだわりが表れています。

ロシア式サウナ日本式サウナ
基本は全裸(水着は状況次第)基本は全裸(水着は状況次第)

どちらも「衣服を身につけない」という点は共通しているものの、入浴時のスタイルが異なります。

たとえば、ロシアの公衆サウナは「水着入浴=不衛生」との観点から、サ室内での着用を禁止しているのが一般的で、代わりに汗を落とさないよう大判のタオルを座面に敷いたり、全身に巻いたりして座るスタイルが主流です。

対して、日本の大衆サウナはベンチに直接腰かける方も一定数いるものの、汚れないようマットを利用するなど、お客さん同士でモラルを守るのが鉄則です。

違い③:温度や湿度

サ室の設定も各国で違い、国によって温度や湿度にも差があります。

ロシア式サウナ日本式サウナ
低温高湿(60~80℃・40~60%前後)高温低湿(80~100℃・10%前後)

ロシア式サウナはジメッとしているものの、温度は低温・湿度は高湿(ヴィヒタ・ウィスキングによる蒸気熱で一気に発汗を促すタイプ)が主流です。日本式サウナもムシッとしたところがあるものの、温度は高温・湿度は低湿(ストーブ・ストーンの対流熱や輻射熱で徐々に発汗を伴うタイプ)が一般的となっています。

店舗ごとにも変わるなど、温度と湿度はサウナの個性が最も光る要素の1つといえそうです。

どちらにも個性豊かなサウナがあり、必ずしも温度や湿度は均一ではありません。日本にはロシアの様式を取り入れたサウナもあるため、実際に比較してみると両者の差がわかりやすいかもしれません。

違い④:混浴の可否

サウナに誰と入るかなど混浴の可否も、各国ならでは風習的な違いが出ています。

ロシア式サウナ日本式サウナ
原則は男女別(男女で区別)原則は男女別(男女で区別)

ロシアの公衆サウナは「男女別で入浴」が一般的です。現地では「サウナ=公共スペース」と認識されており、浴場全体が男性用・女性用と分けられているのが通例。最近は、裸もしくは水着での男女混浴も主流となりつつあります。

対して、日本の大衆サウナは公衆浴場法や風営法などの理由から、例外を除いて「完全に男女別」で、各自独立した場所で自分自身と向き合う形がオーソドックスです。

違い⑤:施設の設計

施設のスケールやディテールにも独自性があり、国ごとに違うのも面白いところです。

ロシア式サウナ日本式サウナ
・静かで暗めなサウナ
・天然由来の水風呂
・談笑するための外気浴
・賑やかで明るめなサウナ
・徹底管理の水風呂
・休憩するための外気浴

ロシアの温浴施設は「サウナリトリート」とも呼ばれ、狭小な敷地に数種類未満のサウナ小屋や極寒アヴァント、休憩ベンチが併設されたログハウスのような造りとなっています。日本にも健康ランドやスーパー銭湯など趣向を凝らしたサウナ施設があるものの、全体的な導線は比較的コンパクトです。

温度計や12分計、テレビがあるかないかも両国の違いといえます。

両方の国におしゃれなサウナがあり、施設の設計もユニークです。ロシアでは豪華なコテージから質素なロッジまで多彩なインフラが構築され、独自の体験価値を追求しています。

違い⑥:入浴方式

入浴中の過ごし方や入浴後の楽しみ方など、独特の入浴方式が見られるのもロシアと日本の違いです。

ロシア式サウナ日本式サウナ
サウナ⇒水風呂・外気浴サウナ⇒水風呂⇒外気浴

ロシアは、アロマ水をサウナストーブ・ストーンにかけてヴェーニクで叩く「ヴィヒタ・ウィスキングの聖地」で、現地の「ウィスカー(施術者)」は国家資格並みの教育を受けています。サ室は普段、静寂に包まれているものの、ヴィヒタ・ウィスキング中は別。退室後はアヴァントで泳いだり、休憩所で休んだりと贅沢な時間を堪能するのが醍醐味です。

他方、日本はヴィヒタ・ウィスキングが主役というより温冷交代浴がメインで、退室後はキンキンの水風呂に浸かり、外気浴でととのうのが定番となっています。

なお、ととのうという概念は日本だけのもので、ロシアにはありません。

はるまる

現地と日本のサウナは、似て非なるもの……どちらも魅力的です。

ぴちどん

ファンタスティックなヴェーニクの力を体感できるロシア版ヴィヒタ・ウィスキングは、一度体験する価値があると思います!

ロシア式サウナと日本式サウナの比較表

サウナ-1

ロシアと日本のサウナの違いは、比較表にするとわかりやすいです。ここでは、ロシア式サウナと日本式サウナの比較表を掲載します。

ロシア式サウナと日本式サウナの違いを一覧にした比較表は、以下の通りです。

相違点ロシア式サウナ日本式サウナ
位置づけコンディショニング・チューニングの一部リフレッシュ・レジャーの一環
衣服の有無基本は全裸(水着は状況次第)基本は全裸(水着は状況次第)
温度や湿度低温高湿(60~80℃・40~60%前後)高温低湿(80~100℃・10%前後)
混浴の可否原則は男女別(男女で区別)原則は男女別(男女で区別)
施設の設計・静かで暗めなサウナ
・天然由来の水風呂
・談笑するための外気浴
・賑やかで明るめなサウナ
・徹底管理の水風呂
・休憩するための外気浴
入浴方式サウナ⇒水風呂・外気浴サウナ⇒水風呂⇒外気浴

以上のように、同じサウナでもロシアと日本とではさまざまな面が違うといえるでしょう。この違いを知ってから入ることで、よりサウナというカルチャーそのものの奥深さを感じられるのではないでしょうか。

仮に、現地にまで行けないとしても、違いを知っておくだけで視点が変わります。

なお、サウナ入浴を存分に楽しむには、サウナ・水風呂・外気浴の種類一覧や効果効能も知っておくと安心です。具体的な種類一覧や効果効能は、次の記事で解説しています。

ロシア式サウナの現地事情・特徴

ロシアのサウナは日本とは違い、形式・普及率・料金などにも違いがあるため、参考情報として知っておくと安心です。次に、ロシア式サウナの現地事情・特徴を解説します。

ロシア式サウナの現在地
  • サウナの形式
  • サウナの普及率
  • サウナの料金

サウナの形式

ロシアのサウナ形式は、低温高湿のウェットサウナが主流

現地のサウナはロシア語で「バーニャ」と呼ばれ、「ヴィヒタ・ウィスキングが主役」といわれるほど盛んです。現地ではヴィヒタ・ウィスキングで全身を叩き、家族や恋人、友達と交流する……みんなの社交場としてサウナが定着しています。

現地のサウナはロシア語で「バーニャ」と呼ばれ、「ヴィヒタ・ウィスキングが主役」といわれるほど盛んに行われています。現地ではヴィヒタ・ウィスキングで皮膚を叩き合いながら、家族や恋人、友達と交流する……まさにサウナはロシア人にとっての社交場なのです。

ロシアサウナは、古典的なヌークの中で体験する植物と芳香のインパクトが魅力

サウナの普及率

ロシアのサウナ普及率は、厳密な統計があるわけではないものの、世界トップクラスのサウナ大国であることは間違いありません。

現地では、国民約1億4,610万人対してサウナ推定約数百万室とされています。公共施設だけでなく別荘や別邸にまで設置されているほどです。

サウナの料金

ロシアのサウナ料金は、約800円~8,000円前後が相場(滞在コースや体験プランによって差あり)

傾向として、庶民派サウナは比較的安いものの、本格派サウナは数千円から数万円を超えることもあります。ただし、サウナのクオリティは日本のラグジュアリースパに匹敵するため、海外旅行など特別な日の思い出と考えると必ずしも高いとはいえないです。

はるまる

ロシア人にとって、サウナは「切磋琢磨するための場所」。ヴィヒタ・ウィスキング大国ならではの温浴体験は人生で一度は体験すべきです。

ぴちどん

日本のサウナにはない香草や樹木など、ボタニカル感のある道具はヴィヒタ・ウィスキングの本場ならではのものといえますよね!

ロシアのサウナのQ&A

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最後に、ロシアのサウナのQ&Aとして、よくある質問をまとめました。

現地の人々は毎日サウナに入る習慣がある?

人によって異なるものの、ロシアでは週に何度もサウナを利用する方が多いです。毎日の日課として定着しているため、日本と同等もしくは頻繁な傾向があります。毎日サウナに入ることも少なくありません。

ロシアと日本のサウナに優劣はない?

どちらが劣っていてどちらが優れているということはありません。ロシアも日本も独自のサウナ文化を持っており、歩んできた歴史もさまざまです。機会があれば、両方試してみることをおすすめします。

ロシアのサウナは日本人でも入れる?

可能です。ロシアは観光客向けや旅行者向けの温浴施設も多く、英語表記がある場所も少なくありません。一方、日本語表記はあまり見かけないため、サウナ施設ごとの決まりに関しては事前の確認が推奨されます。

ロシア人は日本のサウナにどういう印象を持っている?

日本ならではのサウナカルチャーに驚く方もいます。他方、ロシアからの観光客や旅行者の中には、ジャパニーズサウナが気に入り、再訪する方も珍しくはないです。

なお、ほかのコラムも読みたい方は、ととのい博士まとめページもあわせてご覧いただけると幸いです。次のページでは、サウナーさんに役立つ読み物をまとめています。

まとめ

今回は、ロシア式サウナと日本式サウナの違い、現地事情・特徴、Q&Aを解説しました。

ロシア式サウナと日本式サウナの違いは、概して「位置づけ・衣服の有無・温度や湿度・混浴の可否・施設の設計・入浴方式」にあるといえます。最近では、店舗によって趣向を凝らしたところもあるため、必ずしも国ごとに違うわけではありませんが、サウナの文化や歴史は千差万別です。

異国のサウナは、身体の蒸し方1つとっても別物です。国によっては「サウナ=自然と一体になる場」だったり「サウナ=心身を解放する場」だったり、過ごし方や楽しみ方が根本的に違います。いつかロシアのサウナに入ってみたいという方は、ぜひサウナの熱が冷めないうちに叶えに行ってください。

お忙しい中、最後までご覧いただきありがとうございました。では、ひとっととのい、いきましょう!

参考文献
  • 『医者が教えるサウナの教科書』加藤容崇/ダイヤモンド社
  • 『究極の「サウナフルネス」世界最高の教科書』カリタ・ハルユ/東洋経済新報社
  • 『サウナ語辞典』草彅洋平+AMAMI/誠文堂新光社
はるまる

本日もお疲れ様でした。当メディアはサウナを愛するすべての人を応援しています。サウナをもっと知りたい方は、ほかの記事も覗いてみてください!

ぴちどん

ちょっとでも学びがあったら、ぜひSNSで共有してもらえると嬉しいです。ではまた、次の記事でお会いしましょう!

実際にととのいを体験してみたい方は、次の記事も一緒にチェックしてみませんか?

※本記事は、温泉ソムリエ&サウナ・スパ健康アドバイザーの資格を持つ筆者による「健康情報の一般的な解説」であり、診断や治療を目的としたものではございません。体調に不安のある方は、まず専門医にご相談を。

明日も頑張れますように!
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